高齢者福祉部会




令和5年度活動方針
令和5年度活動計画
   報告会の開催 4月5日(水)
   研修会の開催 4月5日(水) 介護保険制度、緊急通報システムについて
                  講師 彦根市高齢福祉推進課
          6月7日(水) 在宅看取りについて
                  講師 松木診療所   松木 明 氏
                     花かたばみの会 井川 祐子 氏
          10月     消費生活上のトラブルについて
          2月      救助と防災について



―令和5年11月24日(金)―

高齢者福祉部会第三回研修会報告

  ◇日 時: 令和5年10月19日(水) 13時30分~15時
  ◇会 場: 彦根市福祉センター 別館2階 多目的会議室
  ◇テーマ: 「消費生活上のトラブル事案における啓発活動について」
  ◇講 師: 彦根市消費生活センター 廣瀬 佳代 様
  ◇参加者: 46名

    

廣瀬様が作成された「消費生活上のトラブル事案における啓発活動」をもとに、彦根市での相談状況及び相談事例を分かりやすく紹介していただきました。

◇研修内容

彦根市消費生活センターは2名で相談を受けておられ、2023年度の前半6ヵ月間の相談件数は303件で月間約50件と前年度を上回りました。 2人で相談に応じることができる最大限の件数とのことです。

最近の相談として話題の中古車に関する相談や訪問買取、住宅修理関連の訪問販売、迷惑メール等の事例が報告されました。

高齢者の一般的な傾向として、健康に関する不安、認知症患者や判断力が低下した人の増加、事業者に問い合わせたり、交渉したり、 積極的な対応をしなくなる傾向、消費者トラブルへの不安は低く、購入前の調査を十分に行わない傾向、 デジタル機器やデジタル技術を適切に活用する能力の課題(情報格差)があり、消費者トラブルに巻き込まれやすくなります。

高齢者の消費者被害の防止対策として、あやしいものにはかかわらないこと、不安に感じたら、まず、家族や消費生活センターに相談することが重要です。 また、見守り活動で、消費者被害の未然防止・早期発見や孤独・孤立等が絡む複合的な課題への支援につなげることも重要で、 民生委員児童委員の見守り活動を通して、効果があげられる可能性もあります。

滋賀県消費生活センター(滋賀県湖東合同庁舎)は、市の消費生活センターとは情報共有はしていないそうですが、 市民の相談内容については、ネットでお互いに確認できるそうです。

被害者の視点でみると、特殊詐欺の被害者は「なぜ、騙されたのだろう」と自責の念にかられているうえに、 さらに家族から「なぜ騙されたのか」と叱責され、二重に苦しむことになります。被害者への寄り添いが大事だとも言われました。

今回の講演から、見守り活動の実践など、われわれ民生委員児童委員の役割も重要であることが改めて考えさせられました。

(高齢者福祉部会 副部会長 関 弘一)



―令和5年7月15日(土)―

高齢者福祉部会第二回研修会報告

  ◇日 時: 令和5年6月7日(水) 13時~15時
  ◇会 場: 彦根市福祉センター別館2階 集団検診室
  ◇テーマ: 「在宅医療と在宅看取り」
  ◇講 師: (松木診療所 所長) 松木 明先生
  ◇参加者: 45名

    

本日の講師として、花かたばみの会 井川裕子様にも講演をお願いしていましたが、緊急のご事情により中止となりました。 松木診療所 松木先生のご厚情により予定時刻の3時まで講演をしていただけました。

◇研修内容

先生は大学の農学部で稲について研究され、大学院博士課程をご卒業されました。研究の一環として稲の発祥地であるタイの山奥を訪れた際に経験された少数民族との交流から、 医学部を目指された異質の経歴をお持ちの先生です。医学部を卒業後は、専門の内科だけでなく、すべての診療科をこなす必要があると考え、高齢者が多い過疎地の診療所で診察され、 現在は高齢者の在宅医療、看取りを手がけておられます。

日本はこれから、団塊の世代が後期高齢者になり、医療費の逼迫が予想されます。入院期間の短縮、在宅医療や在宅介護の推進により、医療費の削減が求められることでしょう。 今回のテーマでもある「在宅医療と在宅看取り」は非常に重要な問題となり、増加することが予想されます。人生の最後を迎えたい場所として「自宅」を希望されている人は4割を占め、 希望に沿った場所で療養できる支援体制づくりが必要となります。

この日は松木先生から在宅医療から看取りまでの経過等を下記の2例の患者さんについて、実例をあげてわかりやすくお話をしていただきました。

1例目:94歳の独居の茶道の先生で、がんで姪っこに看取ってもらった患者
2例目:93歳の美容師で急性骨髄性白血病で在宅看取りを望まれた患者

最後に、今後、情報提供や地域の理解、相談窓口、連携の充実など在宅サービスを支える環境づくりが求められているとの認識を示されました。

今回の講演から、民生委員の役割も重要であることが改めて考えさせられました。

(高齢者福祉部会 副部会長 関 弘一)