佐和山民児協 市外研修報告

佐和山民児協 市外研修報告

2024年6月29日 / 佐和山

◇日 時:令和6年6月13日(木)10時20分~13時30分
◇場 所:長浜市余呉町上丹生1570
     「特定非営利活動法人 子ども自立のウォームアップスクール ここから」
◇参加者:佐和山民児協(民生委員・児童委員 )19名 彦根市社会福祉協議会 2名

単位民児協で「特定非営利活動法人子ども自立の郷 ウォームアップスクール ここから」での視察研修を実施しました。 このスクールは、不登校や引きこもりの子どもたちの自立を目指し社会復帰を目指すための場所として運営されています。 唐子理事長から、スクール開設の苦労や地域住民との関わりについてお話を伺い、施設内を見学しました。

「ウォームアップスクール ここから」の開設
施設は、廃校になった丹生小学校を再利用しています。当初、地元住民からの反対により、開設は困難を極めました。 不安や治安の懸念から受け入れられませんでした。しかし、3年間の努力の末、住民の信頼を得ることができました。

自立支援の内容
寄宿舎生活は、4泊5日:木・金・土・日・月です。火・水は家に帰ります。週初めが月曜日だと心理的に影響があるため、 木曜日を週初めにしています。食事は自分達で作ります。洗濯も自分で行います。

対象者は中学生から23歳までで年齢や地域は様々で長浜市以外の地域からも来ています。 重度のケースでは6年間、通常は2、3年間滞在しています。これまでに約110人の親が口コミなどで訪れています。 度重なる保護者とのカウンセリングを経て子ども自身が「行きたい」と納得した場合にのみ受け入れを許可します。 詳細なプロセスとして、先生(唐子理事長)と子どもが1対1で繰り返し話し合います。「今を変えたいならおいで」と呼びかけます。 子どもは自分の状況を変えたいと感じ、変わりたい理由が明確になったら、入学が決まります。
フォローアップとして、入学後、保護者へはラインで子どもの様子を報告しています。

入学後は、各自がやりたいことを見つけ、様々なことに挑戦しています。例えば、音楽が好きになり作曲を始めたり、 調理師免許を目指し取得、パティシエを目指して奨学金を使って専門学校に通ったり、陶芸や手芸に挑戦する子もいます。

「ここから」卒業後も余呉の地に暮らしたいという青年と調理師免許を取得した青年の活躍の場所として、 「cococafe simple心風流」も造りました。今ではスクールの青年達が 「cococafe simple心風流」での調理や接客等、 ウッディパルでの仕事や「スクール」外でのバイトを通じて社会とのコミニケション能力を育組む場所となっています。

この研修を終えて
この研修を通じて、「ここから」の活動を知り、大変感銘を受けました。 この「スクール」は子どもたちの自主性と生活リズムを大切にし、彼らが自分で変わりたいと思えるように支援しています。 親の不安を和らげながら、子どもが自分で進んでいく姿勢を育てるこの方法は素晴らしいと思いました。

寄宿生活やバイトなどの経験を通じて、子どもたちは社会性や自己管理能力を身につけています。 多くの子どもが大学や専門学校に進学していることから、この支援が実際に役立っていることがわります。 このスクールの開設時には、地元住民の反対や不安が多い中、努力で信頼を築き信頼を得、 地域の一員として認められるようになったことにも感動しました。このような地道な取り組みが大切だと感じました。

現在でも継続的に、地域行事への参加や卒業生のボランティア活動など、 「特定非営利活動法人子ども自立の郷 ウォームアップスクール ここから」が地域社会とのつながりを大切にしている点も素晴らしいです。 こうした活動が、子どもたちの成長に大きく寄与していると感じました。

今回の研修を通じて、この「ウォームアップスクール ここから」がどれだけ子どもたちの未来に貢献しているかを理解しました。

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