
高齢者福祉部会
高齢者福祉部会 令和6年度第二回研修会報告
2025年1月16日 / 令和6年度
◇日 時:令和6年11月26日(金)10時00分~11時30分
◇会 場:彦根市福祉センター 別館2階 多目的会議室
◇研修内容:研修テーマ:「救急蘇生(AEDを使って)を試みよう」
講師:彦根市消防本部 岩崎 様
◇参加者 :38名
令和6年度の第二回研修会のテーマについては民生委員活動で遭遇する可能性があるAEDを使用した救急蘇生について、 彦根市消防本部の岩崎氏を講師にお迎えしました。また、高齢者福祉部会委員のなかにも救急救命防災士の資格をお持ちの2名(浅井氏・藤原氏)にもお手伝い頂きました。
胸骨圧迫とAEDのやり方、使い方を体験しました。心肺蘇生が必要な場面に遭遇した時は研修を無駄にせず、日常生活への活用にも生かしたいと思っております。
◇研修内容
・今回の救急蘇生は成人を対象に実施されました。今回は時間の都合で小児や乳児の手技については実施されなかった。
・手順に従って、胸骨圧迫やAEDの使い方も含めて説明していただき、委員にも実際に経験していただきました。
・心肺蘇生は脳死を防ぐために実施する。AEDは心室細動を抑えるのが目的で、完全に心臓が止まった時は電気ショック(AED)をしない。
手順
1.周りの安全確認
2.反応の確認
3.119番通報、AEDの運搬をしてもらえる応援者を大声で呼ぶ
4.普段どおりの呼吸をしているか(呼吸なしか判断に迷う場合に次に進む)
5.ただちに胸骨圧迫を開始する(強く圧迫約5cm、早く100~120回/分)
6.AED装着(機械が電気ショックが必要か判断しする)
電気ショックが必要な場合、電気ショックを行う。
電気ショックが必要でない場合、ただちに胸骨圧迫から再開
※人工呼吸は現在は感染症の問題や専門の技術がない人は行わない
質問に対する回答
1.胸骨圧迫の途中で、患者に反応があった場合は中止する
2.他の病気があるかどうか分からない場合でも、胸骨圧迫を行う
3.ペースメーカーをされている人もAEDを実施する(ペースメーカーの所には電極を貼らない
4.ネックレス、ブラジャーのワイヤーは外すか、電極の貼る位置を避ける


高齢者福祉部会 令和6年度第一回研修会報告
2025年1月15日 / 令和6年度
◇日 時:令和6年9月20日(金)13時30分~15時
◇会 場:彦根市障害者福祉センター
◇研修内容:研修テーマ:「認知症を知ろう」 講師:彦根市認知症TOTサポーター 野村 武司 様
◇参加者 :45名
令和6年度の第一回研修会のテーマについては、令和5年度第四回研修会においてアンケート調査を実施した結果、 最も要望が多かった認知症をテーマに研修会を実施することにしました。
認知症はこれから益々増加し、民生委員として活動の大きな位置を占めていくものと考えられます。 今回の研修会が高齢者に関する活動に生かせたいと思います。
◇研修内容
認知症は脳の疾患により認知機能が低下し、日常生活に不具合を生じる状態ですが、年齢が高くなるほど有病率が高くなります。 最近の高齢化社会では認知症患者が増加し、家族や身近な人が認知症になるなど、我々も身近なものとなっています。
このような社会的な要請から、認知症基本法が2023年6月に成立し、2024年1月1日より施行されました。 法律の目的は「認知症の人を含めた国民一人一人がその個性と能力を十分に発揮し、 相互に人格と個性を尊重しつつ支え合いながら共生する活力ある社会(共生社会)の実現を推進する。」ことで、 この目的に向け、私たち一人ひとりが認知症に対する正しい理解を深め、認知症の人への配慮や適切な対応ができるようにしていく必要がありますます。
認知症は「何らかの脳の病的変化によって、認知機能が障害され、それによって日々の生活に支障があらわれた状態」と定義されています。 認知症についてマジックハンドと記憶のBOXに例えたイラストで分かりやすく説明されました。 若い時はマジックハンドの数も多く、たくさん記憶のBOXに入れることができ、必要な時に取り出すことができるが、 老化に従ってマジックハンドの数が少なくなり、BOXも小さくなり記憶の出し入れに時間がかかり、覚えるのに手間がかかるようになります。
認知症になるとマジックハンドがほとんどなくなり、BOXも小さくなりほとんど情報が保存できず、覚えていたことを忘れていきます。 私たちは認知症の症状の認知機能障害(中核症状)および行動・心理症状をよく理解したうえで、ご本人の気持ちとともにご家族の気持ちにも寄り添って応援や支え合いたいと思います。

高齢者福祉部会第四回研修会報告
2024年5月17日 / 令和5年度
◇日 時:令和6年3月6日(水)13時30分~15時
◇会 場:彦根市福祉センター 別館2階 多目的会議室
◇研修内容:研修テーマ:「地震災害における避難行動について」 ―能登半島地震の教訓から―
◇講 師:彦根市危機管理課 防災講習会講師 消防士 笠原 恒夫 様
◇参加者 :41名


今年1月1日にM7.6、最大震度7の能登半島地震があり、甚大な被害が起こり、亡くなった方々や被災された方々にご冥福をお祈りします。 阪神淡路大震災以降、多数の大地震が起きており、日本中のどこで地震が起きてもおかしくないなかで、能登半島地震の地震が起き、 被害状況や震災後の対応状況も日々ニュースで見聞きしています。笠原様には去年から「地震災害における避難行動について」講演をお願いしていましたが、 たまたま、災害状況が容易に想像できる時期に今回の研修会を実施できたのはよかったと思います。 わたしたちがもし、地震が起きた時にどのように支援していくか考える機会になったと思います。
◇研修内容
能登半島地震は北海道から九州全土が震度1以上を示し、大きな地震であったことがわかった。 能登半島の被害状況、輪島の朝市の火災、ビルの倒壊、民家の1階部分の倒壊、がけ崩れ等の被害状況の写真を見ました。
一方、滋賀県の活断層から我々の彦根市の周りにも多くの活断層がある。琵琶湖西岸断層帯、花折断層帯、木津川断層帯、鈴鹿西縁断層帯、柳ケ瀬/関ケ原断層帯があり、 鈴鹿西縁断層帯では震度7が想定されていることが示されました。
また、地震後の避難所開設後、避難所の状況想定も時系列に従って変化し、運営の内容も変化する。学区を基本とした避難所運営委員会が立ち上がります。 その避難所運営委員会の具体的な組織の具体例が示され、役割分担の業務内容も説明がありました。民生委員は居住組として活動することになります。
災害時要支援登録者への支援方法についても具体的に準備する必要があると感じました。
(高齢者福祉部会 部会長 森 やす子)
高齢者福祉部会第三回研修会報告
2023年11月24日 / 令和5年度
◇日 時: 令和5年10月19日(水) 13時30分~15時
◇会 場: 彦根市福祉センター 別館2階 多目的会議室
◇テーマ: 「消費生活上のトラブル事案における啓発活動について」
◇講 師: 彦根市消費生活センター 廣瀬 佳代 様
◇参加者: 46名


廣瀬様が作成された「消費生活上のトラブル事案における啓発活動」をもとに、彦根市での相談状況及び相談事例を分かりやすく紹介していただきました。
◇研修内容
彦根市消費生活センターは2名で相談を受けておられ、2023年度の前半6ヵ月間の相談件数は303件で月間約50件と前年度を上回りました。 2人で相談に応じることができる最大限の件数とのことです。
最近の相談として話題の中古車に関する相談や訪問買取、住宅修理関連の訪問販売、迷惑メール等の事例が報告されました。
高齢者の一般的な傾向として、健康に関する不安、認知症患者や判断力が低下した人の増加、事業者に問い合わせたり、交渉したり、 積極的な対応をしなくなる傾向、消費者トラブルへの不安は低く、購入前の調査を十分に行わない傾向、 デジタル機器やデジタル技術を適切に活用する能力の課題(情報格差)があり、消費者トラブルに巻き込まれやすくなります。高齢者の消費者被害の防止対策として、あやしいものにはかかわらないこと、不安に感じたら、まず、家族や消費生活センターに相談することが重要です。 また、見守り活動で、消費者被害の未然防止・早期発見や孤独・孤立等が絡む複合的な課題への支援につなげることも重要で、 民生委員児童委員の見守り活動を通して、効果があげられる可能性もあります。
滋賀県消費生活センター(滋賀県湖東合同庁舎)は、市の消費生活センターとは情報共有はしていないそうですが、 市民の相談内容については、ネットでお互いに確認できるそうです。
被害者の視点でみると、特殊詐欺の被害者は「なぜ、騙されたのだろう」と自責の念にかられているうえに、 さらに家族から「なぜ騙されたのか」と叱責され、二重に苦しむことになります。被害者への寄り添いが大事だとも言われました。
今回の講演から、見守り活動の実践など、われわれ民生委員児童委員の役割も重要であることが改めて考えさせられました。
(高齢者福祉部会 部会長 森 やす子)
高齢者福祉部会第二回研修会報告
2023年7月15日 / 令和5年度
◇日 時: 令和5年6月7日(水) 13時~15時
◇会 場: 彦根市福祉センター別館2階 集団検診室
◇テーマ: 「在宅医療と在宅看取り」
◇講 師: (松木診療所 所長) 松木 明先生
◇参加者: 45名


本日の講師として、花かたばみの会 井川裕子様にも講演をお願いしていましたが、緊急のご事情により中止となりました。 松木診療所 松木先生のご厚情により予定時刻の3時まで講演をしていただけました。
◇研修内容
先生は大学の農学部で稲について研究され、大学院博士課程をご卒業されました。研究の一環として稲の発祥地であるタイの山奥を訪れた際に経験された少数民族との交流から、 医学部を目指された異質の経歴をお持ちの先生です。医学部を卒業後は、専門の内科だけでなく、すべての診療科をこなす必要があると考え、高齢者が多い過疎地の診療所で診察され、 現在は高齢者の在宅医療、看取りを手がけておられます。
日本はこれから、団塊の世代が後期高齢者になり、医療費の逼迫が予想されます。入院期間の短縮、在宅医療や在宅介護の推進により、医療費の削減が求められることでしょう。 今回のテーマでもある「在宅医療と在宅看取り」は非常に重要な問題となり、増加することが予想されます。人生の最後を迎えたい場所として「自宅」を希望されている人は4割を占め、 希望に沿った場所で療養できる支援体制づくりが必要となります。この日は松木先生から在宅医療から看取りまでの経過等を下記の2例の患者さんについて、実例をあげてわかりやすくお話をしていただきました。
1例目:94歳の独居の茶道の先生で、がんで姪っこに看取ってもらった患者
2例目:93歳の美容師で急性骨髄性白血病で在宅看取りを望まれた患者
最後に、今後、情報提供や地域の理解、相談窓口、連携の充実など在宅サービスを支える環境づくりが求められているとの認識を示されました。
今回の講演から、民生委員の役割も重要であることが改めて考えさせられました。
(高齢者福祉部会 部会長 森 やす子)